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劇場版 PSYCHO-PASS PROVIDENCE @109シネマズ大阪エキスポシティ

久々に映画館で映画を観てきました。

PSYCHO-PASS

2012年にスタートしたオリジナルTVアニメーション「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズの最新作です。

「PSYCHO-PASS サイコパス」は、近未来の超管理型社会を舞台に、犯罪捜査にあたる刑事たちの活躍や葛藤を描いた作品です。2012年当時はAIによる管理社会というと非現実的な受け止めもありましたが、AI技術の進展が著しい昨今ではありえるかもしれない近い将来の話として、実感を伴って受け止められそうです。

今回の劇場版は、劇場版『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に』と第三期TVシリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』をつなぐエピソードです。時系列を遡った話作りは細かい設定まで整合させる苦労があって大変ですが、大きな破綻もなくまとまっていたと思います。ミッシングリンクというには大きすぎて、『PSYCHO-PASS サイコパス 3』の開始前に見たかったような気もしますが、いろいろ事情があるのでしょう。作品として世に出してもらったことに感謝して楽しみました。

ミッシングリンクということで、シリーズの主要登場人物が揃い踏みしています。主人公たる常守朱はもちろん、相棒の狡噛慎也や『PSYCHO-PASS サイコパス 3』の主要登場人物も軒並み登場していて賑やか。新キャラも登場してストーリーを盛り上げてくれていました。

過去の哲学者や書物からの引用も相変わらずで、狡噛慎也がさらっと原典に言及するのも健在。今回は新約聖書の一節が効果的に引用されていました。人間、それほど進歩しない部分もあるので、過去既に言及されていることも多いんですよね。

常守朱と狡噛慎也の掛け合いも、シリアスながらも軽妙で楽しめました。特に、雑賀先生に一目で看破されていたくだりは、思わずニヤリ。狡噛らしい対応、常守の独白、そして犯罪心理学者ならではの雑賀先生の洞察力があいまって、印象に残ったシーンでした。

ストーリーの終盤、砺波と常守のやりとりでは、常守の考え方や姿勢が色濃く浮き出ていました。常守は、システムの効用を認めながらもそれとは別の何かを信じ、常に思考と対話を続けています。常守に関わる人々は、そんな常守を守ったり手助けしたりするわけです。砺波には常守が理解できず拒絶した、狡噛はそれとは別の選択をした、その対比でもって印象的なクライマックスが演出されていました。

アクションシーンもハイスピードで派手、最新の技術や知見も取り入れられていて、説得力がありました。全体的にいつものPSYCHO-PASSクオリティで、2時間たっぷり作品世界に没頭できました。いやー、映画もいいものですね。

劇場版の特典は10周年のメモリアルノート。主要登場人物が描かれた表紙が目を惹きます。

特に常守の憂いを帯びた表情が印象に残ります。作中では監視官の職分を超えた活躍を見せつつある常守、世界と人間の裏と表を知り、それでも自分にできることは何かと考えた結果『PSYCHO-PASS サイコパス 3』につながっていくわけで、結末を知るとこの表情にも違った印象が生まれてくるわけです。

ともあれ、今回の劇場版でミッシングリンクが埋まったので、次は『PSYCHO-PASS サイコパス 3』の後が描かれるといいなぁ。次回作に期待!!

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