公開直後に観てきました！
シドニアの騎士、人形の国などを手がけた弐瓶勉氏が送る、ポスト・アポカリプスファンタジーの超大作です。映画公開に向けて、最近TVアニメが再放送されていたものを観て気に入ったので、映画館に足を運びました。TVアニメ自体は2023年1月から放映されていました。完結編を映画にするのは最近流行のフォーマットですね。
私にとっての弐瓶勉氏の作品は、シドニアの騎士が印象深いです。大雪海のカイナも、シドニアの騎士と同じく文明が衰退した後の世界を描いていて、似たような雰囲気を感じました。
TVアニメでは、主人公のカイナとヒロインのリリハが出会い、いろいろな冒険を経て世界を救う鍵となる大軌道樹を目指すまでの物語が描かれます。導入部分は典型的なボーイミーツガールなのですが、ヒロインが空から降りてくるのではなく地上から昇ってくるのが新鮮です。ちなみに空から降りてくるのは主人公の方。
カイナとリリハ、そして二人をとりまく様々な登場人物や事情がTVアニメ11話をかけて丁寧に描かれた上で、映画の冒頭につながる構成になっています。
そんなわけで、映画は冒頭からクライマックスばりに盛り上がるシーンの連続です。手に汗握るアクションや世界の真実に迫る謎解きが次々と繰り出され、あっという間に上映時間が過ぎていきました。
カイナとリリハだけでなく、脇を固めるキャラクターもスポットが当たっているのが嬉しいですね。特にアメロテとオリノガの二人は、物語の重要なターニングポイントを担当しています。通じ合っている様子が伝わってくる、表情や仕草の細やかな芝居が特に印象的でした。もうお前らくっついちゃえよ、的な。CGキャラクターらしからぬ、と言っては失礼ですが、手描きではない方法でここまでできるとは、と思える細やかさに感動です。
ポスト・アポカリプスファンタジーはどうしても暗い雰囲気になりがちですが、本作は登場人物の細やかな芝居と世界描写の美しさで暗い雰囲気を払拭していて、前向きな気持ちで作品世界に没入することができます。クライマックスも見応えがあって、完結編にふさわしい体験でした。機会を作ってもう一度観ようと思います。
