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Sony FE 100mm F2.8 STF GM OSS

新年早々、初売りでレンズを購入しました。

ソニー / FE 100mm F2.8 STF GM OSS

中望遠の単焦点レンズ100mm F2.8 STFです。

昨年末に新しいボディα7R Vを購入して高まった写欲をさらに高めるためと言い訳をしつつ、新レンズをちらちらと気にしていました。手元には定番で使い勝手のいいレンズが割と揃ってきているので、少し変わったレンズもいいな、と思っていろいろと考えていたところ、初売りで偶然見かけて思い切って購入しました。

bさんが「新しいレンズを手に入れればパースペクティブ…文字通り世界の見え方が変わる」と書いていましたが、まさしく同感でして、新しいレンズは新しい視点を提供してくれると思います。特に手持ちのレンズラインナップにはないレンズはなおさらです。シグマのIシリーズや90mm F2.8は私も気になっていましたし、Iシリーズではないにせよ中望遠の単焦点レンズに手を出したこともあって、偶然の一致に奇妙な共感を覚えたところです。

焦点距離90mm付近というと、手持ちのレンズでは90mm F2.8 G Macroや70-200mm F4 Gがカバーしています。90mm F2.8 G Macroはマクロレンズで普段使いは可能ですがちょっと違う感覚がありますし、70-200mm F4 Gはズームレンズで単焦点とはまた違うかな。フルサイズ対応でAFが使えるSTFレンズとして唯一無二の100mm F2.8 STFは発売以降ずっと気になっていたので、念願叶っての購入となりました。

100mm F2.8 STFはG Masterシリーズのひとつです。赤いGのエンブレムがG Masterの証。操作関係ではレンズの左側面にフォーカスホールドボタン、そのほかにAF/MF切り替えと手ぶれ補正の切り替えスイッチがあります。

100mm F2.8 STFの最短撮影距離は0.57mですが、0.57m-1.0mと、0.85mから無限遠ではAF動作を切り替える必要があります。切り替えはボディ側のリングを回転させることで行います。切り替えはボタンを押しながらリングを回します。意外と回しにくいですし、ついつい切り替えを忘れてAFが合わないな、と思うことが多いので、ここは切り替え不要にして欲しかったところ。

100mm F2.8 STFは絞りリングを備えています。G Masterレンズは全て絞りリングがあるとのこと。

絞りリングに刻印されている最小絞り値は5.6です。右側にはTという見慣れない文字があります。これはSTFレンズの特性によるものです。STFレンズはアポダイゼーション(APD)光学エレメントという特殊なフィルターを採用しています。このフィルターは透過光量を少なくすることで滑らかで美しいぼけ味を実現します。このため、レンズとしては開放F値2.8ですが光量はF2.8よりも少なくなります。どれくらい少なくなるかというとF5.6相当というわけで、絞り開放でT5.6という表現になっています。

絞りリングにはT5.6からT8がSTF区間の表示になっています。APDはレンズの周辺にいくほど透過光量が少なくなるため、絞りを絞っていくとレンズ周辺を通る光が少なくなり、APDの効果も少なくなります。APDの効果がなくなる絞り値がT8となるため、このような表示になっています。

絞りリングのクリック感は有無が調整可能です。通常は動画撮影時に絞り調整の不自然さを解消するためクリック感をオフにしますが、STFレンズの場合はSTF区間で絞りを滑らかに変更する使い方も可能。

フィルター径は72mmと大きめです。口径食の抑制には効果的。

前玉も割と大きめです。絞りユニットは11枚羽根で、綺麗な円形のボケが得られるとのこと。

中望遠のレンズらしく、長めのフードが付属します。内側は反射防止のために植毛されていて、さすがG Masterのクオリティ。

α7R Vに装着してみました。画質を重視してこの組み合わせで使うことが多いと想定。大きさ、重さではIシリーズに比べるべくもありませんが、フルサイズ・AF対応・STFとしては唯一無二ですし、ボディとのバランスも良好なので問題ないでしょう。

室内で少し試し撮りした程度ですが、他のどのレンズとも違う描写が感じられました。「シャープな描写と息をのむ柔らかなボケ味」は公式Webページの謳い文句ですが、それに恥じない描写の片鱗が感じられました。ただ、分かってはいたことですが開放でもT5.6は暗いですね。100mmという長めの焦点距離もあいまって、夜の室内ではオートだとあっという間にISO 3200を超えてISO 4000や6400が連発されます。使いどころを選ぶ、ちょっと難しいレンズだと思います。もっとも、そういうレンズを求めていたので期待通りではあります。

撮影サンプルを見るに、日中屋外のポートレートやネイチャーマクロがハマりどころのようです。絞って使うなら単なるシャープな暗いレンズになってしまうので、絞り開放でイカしたぼけを楽しみたいと思います。

ソニー / FE 100mm F2.8 STF GM OSS

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